【書評】マルハンはなぜトップ企業になったか?(続編)
【特別寄稿】 執行役員 部長 小森勇
【書評】マルハンはなぜトップ企業になったか
発行:ビジネス社 著者:奥野倫充
↓↓前編はこちら↓↓
http://www.funai777.com/2006/11/21_182200.php
まず本書で印象的なキーワードは、<素人発想の現場力>という言葉である。
まさにこの言葉は日々マルハン店舗とライバル関係でギリギリのコンペをくり広げている者でないとその本当の意味は分からないかもしれない。
マルハンの〝強さ〟の根源を何次元も掘り下げていくと、そこに見つかるのは、ベテラン発想ではなく「素人発想」。本社、本部主導ではなく、あくまで現場の店長以下、現場スタッフに大幅に権限を与えた決定システムであろう。
素人発想の真髄は、次のようなポイントであろう。
つまり業界経験なら普通こんなことはできないだろうと、あきらめしまっていることでも、「何でやねん!」(※マルハンは関西出身なので多分こう社内で言葉が飛び交うのだろう)と喰い下がって、議論の結果できてしまう。
これがマルハン流だと思う。特別マルハンが人並み外れた能力を備えた集団というわけではないのだ。このことを本書はみごとに看破しているのである。
あと一つ本書で印象的なのは、マルハンの韓昌祐会長が毎日自店の30~40軒直接電話を入れて店長たちとコミニュケーションをとっておられるという記載であろう。これは実に驚くべきことである。
76才(失礼!)という年齢は関係ない。敢て尊敬を込めて老(ラオ)将軍と呼ばせていただくと、この老将軍を毎日1~2時間の電話に走られる原因は・・・<危機感と緊張感の持続>と圧縮して考えてよいと思う。
今から32年前にボウリングショックによりマルハンがまさか倒産、いや破産の危機に陥り、真剣に自殺まで考えられた会長の生き様である。
どんなに売上2兆円になっても、会社というものはいつ倒産するかもしれないという<危機感と緊張感>を200店舗の店長全員と共有しつづけるべく、毎日電話しつづけるのだ!
まさにここがマルハンの強さの秘訣でありトップ企業になった源動力なのだと思わざるをえない。
ここを読めただけでも本書を買われる価値は十分あろうというものである。
とにかく本書はパチンコ業界(メーカー、敗社も含め)の人はもちろん、パチンコ以外のレジャー産業の方々にも広く読んで頂きたい。
小森 勇 


